現在のいわゆる「防災無線」の多くは、1960~70年代頃、電話回線が普及して
いなかった地域の方へ情報を伝える「有線放送」の屋外放送がルーツと
されています。
屋外に取り付けられたスピーカーから定時の時報や地域の情報など
広報用として使用されてきました。
その後、水害や津波などの防災対策としても使われるようにもなりました。
そして現在、災害発生時の「防災」と地域に向けた「広報」での運用が
なされています。
では なぜ、この防災無線が聞こえなかった
という問題が起きているのでしょうか?
一般的なラッパ型スピーカーの出力は1個あたり30Wから50Wです。
音がとどいて内容が理解できる距離は約300mとされます。
このスピーカーを3個から4個取り付けるスタイルが一般的です。
1ヶ所の防災無線がカバーする範囲は直径600mになります。
現状取り付けられている一般的な防災スピーカーは音の届く範囲がせまいため、
多数の設置が必要です。左側の図は「直径5キロの範囲の方々に情報を伝える」
という条件において一般的なラッパ型スピーカーを設置した例です。
設置するスピーカーの数が多くなり、あらゆる方向から音が聞こえてしまう事で、
「音の重なり」をつくり出し、聞こえにくい状況となります。
右側の図は同じ範囲にウィレンWPS2900シリーズ5段式を設置した例です。
360度全方位型 出力2000ワットのモデルは、1ヶ所の設置でこの条件をクリアします。
1ヶ所からの均一な放送により「音の重なり」を解決し、聞きとりやすい状況を
つくり出します。